広告業界に身を置く人間として読みながら何度もハッとさせられました。
特に著者の株式会社dof 代表取締役齋藤太郎さんは元々デザイナーのようなクリエイティブの職種ではなく私のような営業職に近い目線からの周りを巻き込んで課題解決していく為の考え方・チームの作り方・クライアントとの向き合い方・過去の実践の様子まで事細かに書かれていてスルスルと読めました。
こんな人におすすめ
・広告提案型営業されたいる方
・クライアント側の経営層や広報担当者、マーケティング担当者
・クリエイティブ業界に興味がある方
・やりがいを見出せず、働くことに前向きになれていない方
①本のご紹介
タイトル | 非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術 |
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著者 | 齋藤 太郎 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
発売日 | 2022年1月28日 |
金額 | 1,760円(税込) |
レビュー点 |
②この本を選んだ理由
普段広告代理店の営業としてクライアントと向き合う中でクリエイティブにおける専門性が無い営業の自分に対して劣等感を抱いていた。ここでいうクリエイティブとは、職種でもあるデザイナー、プランナー、コピーライターなどの創作をする人々の事です。
ビジネス書など読む事も多いのですが、「タイトルに一目惚れ」まさに自分が読むべき本だと思いました。「非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術」何と!!ドンピシャなのでしょうか??自分の現状を打破してくれる一冊になる気がしました。
③心に響いたポイント
表紙の見出しにもありますが、「オリエンを信じない」は痛感させられます。特にプロポーザル(競合案件)など与件(与えられた条件)が指定されている事もしばしばあります。
この課題解決(目的を達成する)する為の広告(手段)がこの指定の方法で良いのか??
そもそも全く別の解決策があるのではないか??着手すべき順番が逆では無いのか?
など悶々とすることがよくあります。
齋藤さんはクライアントからの相談で着手する案件は3分の1くらいだと書かれておりましたが、クライアント側との目線合わせがズレたままで進めると大きな問題にもなるので大正解だと思います。
悲しいかな一サラリーマンとしては、売上ほしいですよね。会社から課せられたノルマも達成したいし、これ最適解では無いと思うことがあっても競合に勝つ為にクライアントのオリエン通りの与件でゴールを目指すという事もしばしばありました。
でもそれでは本当の意味でのクライアントからの信頼や自分自身のやり甲斐には繋がらないし成長もできないと思うんですよね。
たとえクライアントや仲間と衝突することがあっても信念を押し曲げてはいけないことを強く感じました。
④本について感じたところ
誰もが知るサントリーのCM「ウイスキーが、お好きでしょ」当時まだ「ハイボール」は現在のようなメジャーな飲み物ではありませんでした。現在は「とりあえず生」の人もいれば「とりあえずハイボール」という健康志向(糖質が低い)の方も多く出てきております。
そのプロモーションを作ったのが著書齋藤太郎さんが代表取締役を務められている(株)dofです。小雪さんを起用した「ウイスキーが、お好きでしょ」のCMが流れると、ハイボール人気が一気に加速。曲もリバイバルヒットとなり、現在まで歌い継がれるCMソングとなりました。当時(2007年)はまだハイボールが認知されておらず、ウィスキーを炭酸で割るという文化があまりなかった時代でした。戦略的にターゲットは30代のサラリーマンとし会社でも出世し始めて背伸びをしたい年頃。そんなターゲットに対してポップによらせすぎずウィスキーならではの上質な大人びた印象を残すそんなムーブメントを作り出しました。その一連の制作過程も本書で書かれております。
・角ハイボール
・taxiアプリGO
・ポケトーク
の制作秘話など齋藤さんが本を出していただけなかったら知ることができないお話だったのでとても勉強になりました。
⑤最後に一言
本の素晴らしさもさることながら。
(株)dofの経営理念「ハッピー鬼十則」に感銘を受けました。
詳しくはコーポレートサイトにてご覧ください。
株式会社dof ハッピー鬼十則
Give&Takeじゃない、
Give&Give&Giveだ。
ハッピーの三方よし
電通出身らしい電通「鬼十則」ならぬハッピー「鬼十則」
特に上の2点が響きました。
また自分のアウトプットの練習のために
本のご紹介などもさせていただきます。